これからフランチャイズ本部を立ち上げたいとお考えの事業者の方から話を聞くと、商標登録を行っていないというケースは意外に多いです。
商標登録を行っていない場合、不正競争防止法などによる保護を受けられるケースもありますが、商標法の保護を受けることができません。
そこで、本コラムでは、フランチャイズ本部の立ち上げを考えている事業者の方を対象に、フランチャイズビジネスにおける商標の重要性を説明します。
商標とは
商標とは、事業者が、自己の取り扱う商品やサービスを他者の商品やサービスと区別するために、自己の取り扱う商品やサービスについて使用するマーク（標章）のことをいいます。
商標の機能とは
商標の機能としては、以下の3つの機能があります。
① 出所表示機能
② 品質保証機能
③ 広告的機能
①の出所表示機能とは、特定の商品やサービスが、どの事業者により提供されているかを表示する機能のことをいいます。
②の品質保証機能とは、特定の商標が使用されていることにより、特定の商品やサービスの品質を対外的に表示する機能のことをいいます。
③の広告的機能とは、特定の商標が使用されていることにより、消費者の選択の動機付けとなる機能のことをいいます。
フランチャイズにおける商標
「フランチャイズ・システムとは」のコラムでも紹介しましたが、フランチャイズ・システムにおいては、加盟者に対し、特定の商標、商号等を使用する権利を与えることが重要な要素となっています。
フランチャイズビジネスにおいては、商標により、消費者に統一的な印象を与えるということが重要です。
不正競争防止法で商標を保護するためには、周知性（需要者の間で広く知られていること）や著名性（全国的に需要者以外にも広く知られていること）が必要となりますが、これからフランチャイズ展開を行う本部であれば、周知性や著名性が認められるケースは多くないと考えられます。
そうしますと、これからフランチャイズ展開を行う本部の場合、不正競争防止法による保護を受けることができず、他者に商標を使用されてしまう可能性や、他者に先に商標登録をされてしまう可能性があります。
そのため、今後、フランチャイズ展開を行い、フランチャイズチェーンを大きくしていこうと考えている場合には、商標登録を行い、商標法による保護を受けることにより、ブランドを守ることが重要になります。
まとめ
以上、フランチャイズ本部の立ち上げを考えている事業者の方を対象に、フランチャイズビジネスにおける商標の重要性を説明しました。
フランチャイズ本部の立ち上げをお考えの事業者の方は、まずは、商標登録を行うようにしてください。
また、商標登録を行うことなく、フランチャイズ本部を立ち上げてしまった事業者の方は、なるべく早く商標登録を行うようにしてください。
フランチャイズでお困りの方が、お気軽に当事務所にご連絡ください。
