フランチャイズ・チェーンに加盟し、順調に利益が出ることが理想ですが、思ったように利益が出ないこともあります。
店舗運営を続けていても赤字が増えてしまうという状況であれば、フランチャイズ・チェーンから脱退したいと考える加盟店の方もいると思います。
そこで、本記事では、フランチャイズ・チェーンからの脱退をお考えの加盟店の方を対象に、フランチャイズ・チェーンから脱退するにはどうすればよいかを説明します。
フランチャイズ契約における解約に関する原則
フランチャイズ契約に関わらず、多くの契約では、契約期間を当事者間で定めた場合には、契約期間中は、当事者の一方の意思により、契約を自由に解約できないことが原則となります。
私達の身近な契約関係である賃貸借契約で考えてみます。
独り暮らしをするタイミングなどで、マンションやアパートを借りた経験があるという人は多いと思います。
このマンションやアパートを借りる契約は、賃貸借契約といわれる契約ですが、この賃貸借契約では、解約に関する規定が存在しない場合には、当事者の一方が任意に解約を行うことはできません(民法618条参照)。
ただ、当事者の合意により、例えば、家賃の1か月分の違約金を支払うことにより、賃貸借契約を解約できるという内容の規定が設けられている例が多いです。
フランチャイズ契約も同様で、例えば、契約期間を、3年と定めた場合には、加盟店は、3年間は、フランチャイズ契約を一方的に解約することができないことが原則となります。
フランチャイズ契約内に解約に関する規定が存在する場合
フランチャイズ契約内に解約に関する規定が存在する場合、加盟店は、その規定にしたがい、フランチャイズ契約を解約し、フランチャイズ・チェーンから脱退をすることになります。
ただ、通常、中途解約の場合には、加盟店が、フランチャイズ本部に対して、違約金を支払い、解約を行う旨の条項が規定されているケースが多いです。
もちろん、加盟店として、納得をして、違約金を支払い、フランチャイズ・チェーンから脱退するのであれば問題はありませんが、加盟店が赤字という状況であるために脱退を考えるというケースも多いため、加盟店としては、違約金を支払わずにフランチャイズ・チェーンを脱退したいと考えるはずです。
ただ、フランチャイズ契約の内容を確認したうえで、フランチャイズ契約に合意をしている以上、加盟店としては、違約金を支払わずに、フランチャイズ契約を解約し、フランチャイズ・チェーンから脱退することが難しいものと考えられます。
交渉によりフランチャイズ契約から脱退する方法
加盟店が、フランチャイズ本部に対し、フランチャイズ契約書の規定された通りの違約金を支払うことが難しい場合には、フランチャイズ本部と交渉を行うことにより、フランチャイズ契約を合意解約する方法が考えられます。
ただ、当然のことながら、フランチャイズ本部としては、フランチャイズ契約に規定された内容通りの違約金を支払って欲しいと考えるはずですので、加盟店が、本部に対して支払うこととなる違約金をゼロにするということはなかなか難しいものと考えられます。
そのため、違約金の減額を求めて交渉をしていくという方向性となるケースが多いものと考えられます。
フランチャイズ契約書で規定された違約金の額があまりにも高額な場合には、違約金条項の一部が無効となる可能性もありますので、そのような場合には、交渉を行う価値があるものと考えられます。
解除事由やフランチャイズ本部の債務不履行を理由にフランチャイズ契約を解除する方法
他の方法としては、解除事由やフランチャイズ本部の債務不履行を理由として、フランチャイズ契約を解除するという方法が考えられます。
フランチャイズ契約には、解除事由が規定されているケースが多いです。
そのため、フランチャイズ本部に解除事由に該当する事由が存在することを主張し、フランチャイズ契約を解除することが考えられます。
また、フランチャイズ本部に契約違反(債務不履行)が認められる場合には、フランチャイズ契約の解除が認められる可能性があります。
まとめ
以上、フランチャイズ・チェーンからの脱退をお考えの加盟店の方を対象に、フランチャイズ・チェーンから脱退するにはどうすればよいかを説明しました。
今までの職場を辞めてフランチャイズ・チェーンに加入するなど、まさに生活が掛かっており、フランチャイズ・チェーンからの脱退に関し、お困りの加盟店の方も多いと思います。
そのような状況の加盟店の方は、まずは、お気軽に当事務所までご連絡をいただければと思います。